川へ 渓へ 峪へ

様々な事情が人生には付き物。
今年は川へ行く回数が減るかもしれない。
それでも
それでも人は希望があるから生きていける。
今日は仕事も早く終わったから夢の中へ。
6年前の峪。
深山幽谷とは、よく言ったものだ。
そこへ行けば良い思いができる、と浅はかな知恵を持ったフライフィッシャーは思うのかもしれない。
小さな橋を渡った先に見えるその流れは、夏の雨に潤され生き生きとしていた。
車から降り立ち、ウェーダーを纏い、ロッドにラインを通す。
浮かべる毛鉤は自分のお気に入りのみ。
流行りものなんかに目はいかない。
見えない毛鉤にも。
大きくていい。
それで出なければ、それまでのことだ。
静寂に包まれた深山。
水の音しか聞こえない。
正確には鳥の囀りも、虫達の合唱も存在していたのだろうけれど。
フライフィンシング。
素晴らしい遊びだ。
「遊び」と言ったら叱られるかもしれない。
けれど、これほどの遊びを見出した人は奉られて然るべきだ。
輝く水面に浮かんだ毛鉤が
その下へ消える。
馬鹿な遊び人と、同情すべき渓魚がひとつになる。
その瞬間、その一瞬
些細なことなど忘却の彼方へと追いやり
川の記憶が刷り込まれる。
幸せな人種なのかもしれない。
嗚呼、フライフィッシング。。。
スポンサーサイト
| 戯言 | 21:59 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑